四つ這い歩きのメリット・その重要性と効果的な方法を解説!

四つ這い歩きのメリット・その重要性と効果的な方法を解説!

できるだけ少ない種目でウォーミングアップを、という場合におすすめなのが「四つ這い歩き」でしょう。

シンプルな方法ですが、息が上がり、全身があたたまります。これから競技の練習をするという場合には、全身がその練習へのスイッチが入る感じがします。

正直、これだけでも全身を鍛えられている感じがします。調べてみるとこの四つ這い歩きには様々なメリットがあるようです。トレーニングファンのみならず全ての人にとっておすすめの方法かもしれません。今回は四つ這い歩きのメリットについて調べてみました。

1.体幹の安定化トレーニングとして

Close up of stretched leg, yoga pants with heel cover
四肢を自由に機敏に動かすには、体幹の安定性が重要です

四つ這いトレーニングは手足を動かす運動ですが、これのキーとなっているのが体幹です。胴体、それも腹部の深層筋(インナーユニット)がよく働かないと四つ這いができないのです。

インナーユニットは腹直筋のように目に見える筋肉ではありませんが、骨の配列や姿勢を正しく安定させる縁の下の力持ち的な働きをしています。

実際にはインナーユニットが機能しなくても、四つ這いできます。腕や足の力でカラダを支えることができるからです。そこから前に進むことは少しならできるかもしれません。しかし長い時間それを行うことは可能でしょうか。前に進むための力が四つ這い姿勢を維持していることに使われているのです。腕や足が疲弊し、適切な姿勢を維持できなくなり、早急に疲れてしまうでしょう。

ですので、四つ這い歩きを長い時間(最低でも10分以上)行うことで、自然と体幹で姿勢を安定させる使い方を覚えることができるようになります。そうしないと続かないからです。何も考えずに四つ這い歩きをするだけで、体幹を活性化し、適切な姿勢を安定させ、手足の力を発揮できるようになるのです。

2.対角線の動きを引き出すトレーニングとして

apparatus and equipment in modern gym
高価なジムの機械でも難しい「動きの質を高めるトレーニング」を行うことができます

動作は対角線の動きが基本です。例えば右手を前に出すときは左足もほぼ同時に前に出ています。歩く時も走る時も対角線で動いています。右手と右足を同時に出すとうまくはやく歩けないのです。

投球動作を例にとれば、右手で投げる場合は、右手を後ろに伸ばしながら、左足は力強く前に出します。実はその直前に軸足となる右足と左手に力が加わり、その力が右手、左足に伝わっていくという動作を行なっています。同時に回旋も加わります。

このようにもっとも早く力強い動きには、対角の動きと左右の連鎖が重要なのですが、知らないとなかなか気づかれないものです。

前側斜めの対角線としては、内転筋と、反対側の外腹斜筋が含まれています。これは、子供だろうが大人だろうが動物だろうが動き回るときに発揮される主要な連鎖の1つであり、通常の歩行においても非常に重要であり、その他の動作においても不可欠なものなのです。

四つ這いトレーニングを行うだけで、この連鎖が体に染み付きます。最もシンプルな対角に手足を出して行く運動を繰り返すと、他の動作でもそれが自然にできるようになって行くのです。

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体幹と対角の連動の説明図(the ballet blog)

3.全身のコーディネーショントレーニングとして

Baby girl creeping at home
人間は生まれてから立ち上がるまでに一生に必要な多くの機能を体得しています

人間の神経系は姿勢や動作、歩行などの動きをコントロールしています。これを“モーターコントロール(運動制御)”といい、人生の最初の1年、赤ちゃんが生まれてから立ち上がるまでの、動作で習得しながら多くの部分が確立されています。寝返りやハイハイはそれぞれに大事な意味があり、立って歩き出すまでに、それぞれの動作をしっかりおこなっておくべきものなのです。

この赤ちゃんの発育発達過程を重要視するのは、西洋ではDNS理論のなかにあります。

ボイタ、ルウィット、ヤンダ、ヴェレの各博士によってまとめられた神経発達とリハビリテーションの考え方は20世紀の運動生理学やトレーニング理論に革新的な進歩をもたらしました。それを基にパベル・コラー博士は運動機能の修復と機能的動作の基本となる理論を体系化し、この新しい理論をDNS(Dynamic Neuromuscular Stabilization:動的神経筋安定化)と名付けたのです。

運動を上手に行うためには、筋力や持久力だけではなく、運動調節機能(外部環境などから得られる近く情報を脳が認知・判断し、筋への出力を適切に判断する能力)が必要となります。この神経系の運動調節能力を高めるものがコーディネーショントレーニングというものです。

脳と神経と体幹筋と筋出力のための筋肉、関節の動きを理想的なものとするのが、この私たちにとってもっとも原始的な動き「四つ這い」に代表される運動群なのです。そのほかには「寝返りしながらの腹筋」や「ずり這い運動(ほふく前進)」、仰向けから立ち上がるまでの動作を分解してゆっくり行う「ゲットアップ」運動なども、コーディネーショントレーニングには最適なものの一つと言えます。

4.その他のメリット

冒頭でもお伝えした通り、ウォーミングアップには効果てきめんです。バスケットボールコートを数周するだけで全力で動的ストレッチを行うよりもキツい感覚を味わえるでしょう。

上半身では、腕と肩の部分の筋トレとなります。下半身では、臀部、ハムストリング、ふくらはぎのトレーニングとなります。特に臀部は意識して使い、トレーニングしないと鍛えられない部分です。四つ這い歩きを行うだけで無意識に可能になります。

ゆっくり長い時間をかけて行うと有酸素運動ともなり、心肺機能の強化にもなります。

5.四つ這いトレーニングの方法

このモデルの男性のようにできるよう、真似してみましょう。

オーソドックスなものは右手と左足、左手と右足を交互に動かす「対角の動き」ですが、同側の動きや、後ろ向きの動きも脳のイメージと実際の動きをリンクさせるトレーニングになります。ぜひ行うようにしてください。

6.まとめ

四つ這いトレーニングのメリットをご紹介しました。四つ這いは、スペースさえあればいつでもどこでもできるトレーニングです。原始的でシンプルな運動ですが、多くのメリットがあります。ぜひ時間を見つけて行うようにしてください。